タイヤワックスが劣化の原因ってホント?ウソ?タイヤ劣化を防ぐにはどうするべき?

安全性や快適性のために高性能・高品質なタイヤを選ぶ人が増えています。でもこのような高性能・高品質なタイヤは、値段もかなり高いのがネックにありますよね?しかもタイヤは1度購入すればよいというわけでなく、定期的に交換しなければいけない消耗品だということも悩みどころです。

だからこそ「タイヤの劣化は出来るだけ防ぎたい」というのがユーザーとしての本音ですよね?タイヤの劣化防止としてポピュラーなものといえば、「タイヤワックスを塗る」という方法があります。でも「タイヤワックスは劣化の原因になる」という話もよく耳にします。

そこで今回は、「タイヤワックスが劣化の原因説」が本当なのか、それともただの勘違いなのか、さらにタイヤワックス以外でも劣化を防ぐ方法はないのかを検証してみます。

1. タイヤワックスが劣化の原因になる理由

タイヤワックスが劣化の原因だといわれる理由を挙げてみましょう。

1-1. ワックスが落ちると同時にタイヤの紫外線防止剤も流れ出てしまう

車は公道を走るために作られたものです。公道の中にはトンネルや地下道などもありますが、あくまでも道路全体の一部にすぎません。つまり車を走行させている限り、車は紫外線を浴び続ける存在といえます。

紫外線は、タイヤの劣化の原因となります。しかもタイヤが劣化すればタイヤの性能にも影響します。そのため現在販売されているほとんどのタイヤには、紫外線防止剤が含まれています。

紫外線防止剤が含まれていることによって紫外線によるタイヤの劣化を防いでいるのですが、使い続ければその効果も自然に落ちていきます。ところがこの劣化スピードを加速させてしまうのが、タイヤのワックスといわれています。

タイヤのワックスも、塗った直後から少しずつ落ちていきます。乾いた道路を走っているだけでも、路面との摩擦によって少しずつ削れていきます。また車が発する熱や雨の日の走行などによってもワックスは流れ落ちていきます。そしてタイヤワックスが流れ落ちる時に、タイヤの紫外線防止剤も流れ出てしまいます。

そのため屋外に車があるというだけで、タイヤは紫外線の影響を直接受けるわけです。つまり結果として「タイヤの劣化スピードを速めてしまう」ということなのです。

1-2. ワックスが落ちると同時にタイヤの劣化防止剤も流れ出てしまう

紫外線防止剤と同じように、劣化防止剤もほとんどのタイヤに含まれています。劣化防止剤もタイヤワックスの成分とともに外に流れ出てしまう性質を持っています。そのため劣化防止剤が減っていけば、その分タイヤが劣化するスピードも早まります。

1-3. 石油系溶剤がタイヤを劣化させている

タイヤのワックスには、「油性ワックス」と「水性ワックス」の2種類があります。水性ワックスは、シリコンを水に入れて溶かします。ところが油性ワックスの場合は、シリコンを石油系溶剤の中に入れて溶かします。

この石油系溶剤は、タイヤにとって大きなストレスになります。そもそもタイヤには劣化防止剤や紫外線防止剤など、タイヤを長持ちさせるための成分が含まれています。そんなタイヤにストレスが加われば、劣化速度が速くなるのは当然です。

ただし水性ワックスの場合は、タイヤのストレスとなる石油系溶剤がほとんど使われていません。そのため同じタイヤワックスでも水性ワックスの場合は、タイヤへのストレスが少ないです。ちなみに「タイヤワックスが劣化の原因だ」といわれるのは、水性ワックスではなく油性ワックスの方が圧倒的に多いです。

2. タイヤワックス否定派の意見

タイヤワックスにはメリットとデメリットがあります。そのためタイヤワックスに対する意見にも、否定派と肯定派に分かれます。まずは「タイヤワックス否定派」の意見についてまとめてみました。・「タイヤワックスの油成分のせいでひび割れを起こす」

  • タイヤワックスは見栄えが良くなるだけでタイヤには良くない
  • タイヤ本来の性能を維持したいなら水洗いだけで十分キレイになる
  • 使えば使うほどタイヤへのダメージはひどくなる

3. タイヤワックス賛成派の意見

タイヤワックスの否定派の意見も確かに一理ありますが、使い方によってはタイヤの劣化を防ぐことが出来るのもタイヤワックスのメリットです。そこで今度は「タイヤワックス肯定派」の意見をまとめてみます。

  • タイヤの性能を流しとるのは油性ワックスだから水性ワックスなら問題ない
  • タイヤ交換時のメンテナンスとしては最適
  • タイヤワックスを塗った方がグリップ力は長持ちする
  • 石油系溶剤が入っていないワックスを選べば劣化とは関係ない

4. そもそも、なぜタイヤは茶色く変色したり色褪せるの?

新品で購入した時にはツヤのある真っ黒な色をしているタイヤですが、使っているうちに茶色く変色するなどの色あせが目立つようになってきます。そんな時に便利なのが、塗るだけで新品タイヤのように見せてくれるタイヤワックスです。ではなぜタイヤは使い続けるほど、変色したり色褪せしたりするのでしょうか?

4-1. タイヤの性能を維持するための成分が化学反応を起こすから

タイヤには種類によって様々な性能があります。これらの性能をきちんと発揮させるために使われるのが、タイヤを作る時に使われる保護成分です。タイヤの保護成分にも様々なものがありますが、代表的なものといえば劣化防止剤や紫外線防止剤があります。

こうしたタイヤの保護成分も、使い続けているうちにタイヤの表面にしみ出してきます。特に「サイドウォール」と呼ばれるタイヤの側面は、他の部分に比べてより多くの成分と接します。しかもタイヤの保護成分と外部の成分は、互いにまじりあうと化学反応を起こします。化学反応を起こしたタイヤは、茶色に変色していきます。

もともとタイヤはゴムが主成分ですから、時間が経てば自然に劣化していきます。そのために新品のタイヤには、劣化スピードを出来るだけ緩やかにさせるための保護成分が含まれています。でもこれらの保護成分は時間とともにタイヤの表面に染み出ることによって化学反応を起こし、結果として茶色に変色させる原因になります。

4-2. ブレーキダストがタイヤに付着してしまうから

タイヤのサイドウォールに見られる茶色い変色って、ホイールにへばりついている茶色い汚れによく似ていると思いませんか?実はその考え方は間違いではないのです。

ホイールの汚れの原因は、ブレーキダストによるものです。ブレーキダストは車を走らせている以上、どうしてもできてしまうものです。車を走らせるということは、車を止めるという動作も必ず含まれますよね?つまり「ブレーキをかける」という動作も、車を走らせるためには必要になります。

ブレーキをかける時には、「ディスクローター」に「ブレーキパッド」が接触します。もちろんこの時の衝撃に耐えられるように、ディスクローターやブレーキパッドは製造の段階できちんと設計されています。

でも所詮これらの部品は金属製です。そのため金属どうしが接触すれば摩擦が起こります。この時の摩擦によって部品が削れてしまい、粉塵となって外に飛び出してきます。これがブレーキダストです。

もちろんブレーキダストが外に吐き出されないようにするために、カバーのような役目として「ブレーキドラム」が取り付けられています。でもブレーキダストは非常に細かいため、ブレーキドラムでカバーしてもその一部は外に吐き出されてしまいます。

そのためブレーキドラムでカバーできなかったブレーキダストは、ホイールを通りタイヤのサイドウォールに付着します。さらに付着した状態のままで車を走らせていると、サイドウォールに付着したブレーキダストは錆びて茶色に変色します。これが、タイヤが茶色に変色する2つ目の理由です。

5. タイヤワックスを使わず洗車でタイヤを黒くする方法

タイヤワックスを使わなくても、定期的な洗車でタイヤの色を黒くする方法があります。といっても特別なことではありません。ただ「どの部分を重点的に洗うのか」ということがポイントになります。

タイヤの劣化の原因である保護成分がしみ出す部分も、ブレーキダストによって茶色に変色する部分も、いずれもサイドウォール(タイヤの側面)に集中しています。さらに紫外線にさらされるのも路面に設置している部分ではなく、タイヤの側面であるサイドウォールが中心になります。

だからこそ洗車の際にはボディーやホイールの汚れだけでなく、タイヤのサイドウォール(タイヤの外側の部分)もきちんと洗ってあげることが大切なのです。こうすることによってタイヤの黒い色が復活するだけでなく、タイヤの劣化スピードを抑える効果もあります。

6. タイヤの劣化を防ぐおすすめの方法

タイヤの劣化を止めるということは、タイヤの主成分がゴムである以上不可能です。でも劣化のスピードを落とすことはできます。その一つが、タイヤワックスです。

タイヤワックスには水性ワックスと油性ワックスの2種類ありますが、水性ワックスはタイヤの石油系溶剤がほとんど含まれていませんのでタイヤの保護成分に影響を与えるリスクが減ります。ただし水性ワックスは水に弱いですから、油性ワックスのような持ちは期待できません。

また水性ワックスの種類によっては、ピカピカとしたツヤ出し効果が薄いものもあります。でもこれは不自然なツヤではなく、タイヤ本来の深みのあるツヤといえます。

さらにタイヤワックス自体には、タイヤの劣化を防止する効果もあります。特に水性ワックスには、紫外線吸収剤など劣化を防止するための保護成分も含まれています。ですから「タイヤの劣化が気になる」「出来るだけタイヤを長持ちさせたい」という人は、水性ワックスを定期的に使うのが最もおすすめの方法といえます。

7. 劣化が心配ならタイヤワックスの使用は慎重に!

タイヤはあくまでも消耗品です。そもそもゴム製品なのですから、劣化を止めるということは不可能です。でも劣化のスピードを落とすのなら、「タイヤワックスを使う」「こまめにタイヤを洗う」などの方法があります。

ただしタイヤワックスには「見栄え重視型」と「劣化防止型」の2つに分かれます。ですから「劣化防止のためならどんなタイヤワックスを使っても良い」ということではありません。劣化防止に適したタイヤワックスを選ばなければ、逆効果になってしまうこともあります。

まずはあなたの車のタイヤの状態をしっかりとチェックしてみてください。その上でタイヤワックスを使用した方が良いのか、水洗いだけでも十分なのかを判断してみてください。

タイヤワックスの効果は非常に高いですが、その分リスクもあります。だからこそタイヤワックスは、使う前に慎重に検討してくださいね。